読書日記4日目 戦争と平和(8月14日)

書くネタが尽きたが絞り出してみる。

トルストイは作中物語の進行を止め、当時のナポレオン戦争に関する歴史かたちを批判し自身の歴史観を語り出すことが多い。

もう何度見かけたか、でも彼の言いたいことの核はこのことなんだろうなと、彼の歴史観の総代の実験策がこの物語なんだろうなと感じる。

彼の歴史観とは要するに、歴史的出来事は多種多様かつ微細な条件、選択によって生じその出来事が過去となってはじめてその全体を読み取ることが出来るというもの。

そして歴史家がそのことを故意に見ようとしていないとかれは語る。

今作の膨大の量の文章を読んでいてあまり言いたくないが上のことが理解できれば、彼の言わんとすることはほぼつかめている。

それとはべつに文学的味わいもあることはもちろんだが。

永遠回帰を唱えたニーチェやシェイクスピア、ドフトエフスキーなどの偉人(もちろんトルストイも)は、往々にしてそれぞれの世界観だったり哲学観だったりを文学という形に昇華させている。

人文科学の天才たちのセンスに舌を巻くばかりである。

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