急にですが全部読み終わりました。
トルストイはクトゥーゾフ将軍がお気に入りのようです。
クトゥーゾフはトルストイの歴史観を意識的にか無意識的に理解し、一個人である自分が戦争に与えられる影響はとても少ないと自覚しているようである、
ということは踏まえつつも自分の目的が果たされるように未来を見据える力もあるように描かれている。
ナポレオンとは対照的に描かれていて、それは後世の世間の評判の違いでも、ナポレオンが攻める人なのに対してクトゥーゾフは待つ人である。
6巻に関しては、ほとんど論文調でのトルストイの歴史観、哲学観の説明が占める。具体的には歴史学批判、権力とは何か、自由意志と有無。
その中で印象に残ったことを記す。
・彼曰く権力とはたんに人と人の力関係を表しているのではなく、もっと広義なにかだった気がするが自分の中でまだ言語化できるほど理解できていないのでもう一度よみます…
・戦場における戦闘員の構成は実際に戦争に参加する兵士、その隊長、その隊長たちを束ねる司令官、その司令官を束ねる総司令官のようになっており、階級が上へ行けば行くほどよりその数は少なくなっていく円錐構造であると共に、下の階級の者はなにかを命令することはほぼなく戦闘に実際に参加し、上の階級の者は逆に命令ばかりしていて戦闘に参加することはほとんどない、というまあ言われてみればそうだねってことを提示してトルストイがなにか示唆を与えていたが、忘れてしまった(;^^)ヘ..ちょっと読み直します(あれを一読して理解できる脳みそは持ってません)
・完全に自由意志がない、つまり人間は何かの法則によって動かされているということも、そうした法則が一切なく人間の行為すべてが自由意志に基づいて行われたものであるということの、どちらか一方に極端に依ることはなく、そうした法則も自由意志もある程度認めるというのがトルストイの見解である。その根拠はそれぞれ3つ、たしか時間の無限性、行為の条件の無限性、あとなんかだった気がする。これも再読するとする。
哲学専攻志望として、彼のいくつかの見方を自分で言語化できるようにしたいと思った。以上のようなテーマに興味があったら戦争と平和の6巻をつよくおすすめする
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